関連記事
変数とは?
この記事の動画版はこちら(画像クリックでYoutubeに飛びます)
変数とは
変数とは、データを入れておくための「箱」のようなもので、プログラムを汎用的に動かすためのマジックアイテム
変数を使う理由
プログラムは、生涯で1度だけ動いて終わりではなく、何度も反復して動かされるのが前提です。
例えば、計算機のプログラムは何度も色々な計算を行いますし、お問い合わせフォームのプログラムは、色々な人からのお問い合わせを何度も受け付けます。
もし、プログラムに「1 + 1の計算をしろ」と書いた場合、そのプログラムは何度動かしても「1 + 1」の計算しかしません。
何度動かしても「2」と答えるだけのプログラムですね。
しかし、「箱A + 箱B」の計算をしろと書いておけば、それぞれの箱に好きな数字を入れれば、どんな数字も計算出来るプログラムになります。
箱Aに「3」、箱Bに「4」を入れれば、「7」という結果になります。
この箱が「変数(へんすう)」です。
毎回中身が「変わる」ので「変数」と呼ばれている訳ですね。
そして、箱には「箱A」や「箱B」のように名前を付けることができ、これを「変数名(へんすうめい)」と呼びます。
変数名の付け方のコツについては別の記事で詳しく解説しています。
このように、変数を使うことで、あらかじめ決められた処理だけでなく、入力されたデータに応じた処理が出来るようになります。
様々な処理を変数に対して行うようにしておけば、入力されたデータによって毎回違う処理ができますよね。
実際のプログラムでは、こんな感じで変数を使って処理を組み立てていくのが基本なんです。
実際の開発での使用例
実際のプログラムでは、1つのデータに対して「加工」「保存」「表示」など、様々な処理を順番に行っていく事が多いです。
例えば、このようなお問い合わせフォームがあったとします。
ここには「お名前」「メールアドレス」「お問い合わせ内容」といった項目があり、ユーザーはこの各項目に入力をして「送信」ボタンを押します。
すると、プログラムは内部的にこんな感じで処理を行います。
1.受付処理
まず処理①として、ユーザーが入力したデータを受け取って、それぞれの箱に入れます。
これらの箱(変数)には名前を付けておきます。
例えば、ユーザーネーム、メールアドレス、コメントといった形で、分かりやすい名前を付けるようにします。
これらの変数に、ユーザーが入力したデータを入れた後、次の処理に流れます。
2.チェック処理
次に処理②では、箱に入っているデータが正しく入力されているかどうかをチェックします。
例えば、名前が未入力ではないかどうか、メールアドレスの形式が正しいかどうかなどをチェックし、問題がなければ次の処理に流れていきます。
3.メール送信処理
最後に処理③では、箱に入っているデータをそれぞれ取り出してメール文面を作成し、お問い合わせフォームの担当者に送信します。
おおまかにはこのような流れです。
このように、ベルトコンベアの流れ作業のように処理を行っていく中で、各データを変数に入れて扱っていく訳ですね。
もし、このプログラムが変数を使っていない場合、毎回同じお名前/メールアドレス/お問い合わせ内容の処理しか出来ませんが、変数を使うことでユーザーの入力値によって動作が変わるプログラム本来の動きを実現することが出来るようになります。
便利な変数、高度な変数
変数には、単純に1つのデータを入れておくシンプルな箱だけではなく、複数のデータをいっぺんに入れることが出来る便利な変数もあります。
これを「配列変数」と呼びます。
通常の変数が単純な箱なら、配列は引き出し付きの箱のようなイメージです。
各引き出しに様々なデータを入れておくと、1つの箱としてまとめてデータを扱うことができます。
配列については別の記事でも詳しく解説しています。
また、さらに高度なものとして、変数自体に機能を持たせることも出来ます。
データを入れておくだけでなく、変数自体に何らかの処理を行わせる、といったイメージです。
これは「クラス」というもので、詳しくはこちらの記事で解説しています。
まとめ
ということで、今回はプログラミングの「変数」について解説しました。
・変数とは、データを入れておくための「箱」である。
・変数を使うことで、処理を「汎用的に」行うことが出来るようになる。
・実際のプログラムでは、処理の中で使うデータを変数に入れて管理していく。
・配列やクラスといったより高度な変数もある。